
遥か時空を越え、記憶と決意、そして希望の光が地上に堕ちた――


物体の謎 #


武志「結局、ほとんど眠れなかったな……あの遺物のことが頭から離れない。」

武志「戦国時代の真珠状の物体。一見なんでもないのに、構造はまったく解析できない。レーザーも、X線も、ぜんぶ無反応だ。」

武志「でも、諦める気にはなれない。面白すぎるんだ、この謎。…蛭川先生、私のこと病んでるとか思ってないといいけど。」

女性「先輩!おはよう!」

武志「おはよう、まや。今日も元気だな。」
まや「あれ、もう起きてたの?…まさか、また遺物のせい?」
まや「あれ、もう起きてたの?…まさか、また遺物のせい?」

武志「まあ、昨日も遅くまで調べてたからな…」
まや「だからダメなんだってば!毎日そんなじゃ倒れるよ!」
武志「わ、わかった…気をつける。」
まや「だからダメなんだってば!毎日そんなじゃ倒れるよ!」
武志「わ、わかった…気をつける。」

まや「ほんとに頼むよ、先輩。じゃ、またあとで!」
武志「さて…私も行かないと。」
武志「さて…私も行かないと。」

武志「今日は何かが起きる気がする。…きっと突破口が見つかるはずだ!」

武志「さあ、相棒…君の秘密を、見せてもらおうか。」
目覚め #

武志「このプローブなら、表面の微細な構造も検出できるはずだ。これを使えば…」

バチバチッ…!
武志「なっ、なんだ!?」
武志「なっ、なんだ!?」

真珠「にんげん。」
武志「浮いてる…!? しかも、話しかけてきた…!?」
武志「浮いてる…!? しかも、話しかけてきた…!?」

真珠「さわぐな、にんげん。わたしのこえは、おまえにしかきこえない」
武志「これって…まさか——」
真珠「まちがいではない。げんそうではなく、わたしはじつざいする」
武志「これって…まさか——」
真珠「まちがいではない。げんそうではなく、わたしはじつざいする」

武志「なぜ…こんなことに…? 理解が追いつかない…」
真珠「きどうしけいをうけとり、めざめた。それだけだ」
武志「!プローブか…そうか、あれが——」
真珠「いずれにせよ、ようやくやくめをはたせる」
武志「役目?一体、何の…」
真珠「とずろんていこくにたいする——…いや、はやすぎる。にんげん、すぐにたいきょしろ。きけんだ。」
武志「危険?どういうことだ?」
真珠「きどうしけいをうけとり、めざめた。それだけだ」
武志「!プローブか…そうか、あれが——」
真珠「いずれにせよ、ようやくやくめをはたせる」
武志「役目?一体、何の…」
真珠「とずろんていこくにたいする——…いや、はやすぎる。にんげん、すぐにたいきょしろ。きけんだ。」
武志「危険?どういうことだ?」
事変 #

真珠「それが──もうすぐくるよ。わたしのめざめを、かんじとった」
武志「何を…?うわっ!地震…?いや、爆発音か!?」
男「逃げろーっ!」
女性「誰か、助けてーっ!」
武志「一体、何が起きてるんだ…!」
武志「何を…?うわっ!地震…?いや、爆発音か!?」
男「逃げろーっ!」
女性「誰か、助けてーっ!」
武志「一体、何が起きてるんだ…!」

真珠「ほんとに、じこほぞんのほんのうがないんだね、にんげんは。このへやからはでないほうがいい」
武志「人が…っ!? あれは……何だ…?」
武志「人が…っ!? あれは……何だ…?」

???「……」

武志「何かを求めているようだけど…」

???「……」
ギラッ
ギラッ

ドンッ!
武志「うわっ!今のは…?」
武志「うわっ!今のは…?」

真珠「それはけいこくしゃげきだ、にんげん。つぎはもくひょうをうつかのうせいがたかい。いのちをたいせつにするなら、いまにげろ。」
武志「言われなくてもわかってる!非常口は…あっちだな!」
武志「言われなくてもわかってる!非常口は…あっちだな!」

武志「くそっ!ドアが動かない!開かない!」
真珠「まかせて。」
真珠「まかせて。」

ピィィィィィン
ガコン…ギギィィィ…
武志「うわぁっ!眩しい!」
ガコン…ギギィィィ…
武志「うわぁっ!眩しい!」

武志「開いた!どうやって?」

真珠「じかんをむだにするな。てきがちかづいている。」
武志「わかった!」
武志「わかった!」
隠蔽 #

武志「やっと外に出た…追ってくる気配はないな。」

真珠「まって。だれか、いる。」
武志「柴田さんだ!おい、しば…」
真珠「しずかに。かくれて。」
武志「何だよ、こんな時に…あっ!」
武志「柴田さんだ!おい、しば…」
真珠「しずかに。かくれて。」
武志「何だよ、こんな時に…あっ!」

柴田「何が欲しいんだ?わからねぇよ!何もやれん!」

???「…」

???「!」
柴田「待て!本当に何も──」
柴田「待て!本当に何も──」

ズシャァッ!
柴田「うわあああああっ!!」
柴田「うわあああああっ!!」

ドサッ

武志「柴田さん…くそっ!!」

武志「この状況は良くない…あいつがいる限り、門まで気付かれずに行く方法はない。」
真珠「こちらのをかんじとっている。みつけるまであきらめないだろう。」
武志「それなら警察が来るまで待つしか…」
真珠「このままでは、がいぶのたすけがくるまえにあなたはしんでしまう。」 武志「少しは楽観的になれないのか?」
真珠「げんじょうをろんりてきにひょうかしているだけだ。」
武志「じゃあ、どうすればいい?絶対に殺されたくない!」
真珠「たたかうことができる。」
真珠「こちらのをかんじとっている。みつけるまであきらめないだろう。」
武志「それなら警察が来るまで待つしか…」
真珠「このままでは、がいぶのたすけがくるまえにあなたはしんでしまう。」 武志「少しは楽観的になれないのか?」
真珠「げんじょうをろんりてきにひょうかしているだけだ。」
武志「じゃあ、どうすればいい?絶対に殺されたくない!」
真珠「たたかうことができる。」

武志「え?冗談じゃないだろ?どうやってあんなものと戦えばいいんだ?」
真珠「ほうほうがある。わたしをてにもってみろ。しんぱいするな、こわれたりしない。」
武志「……これでどうするつもりだ?」
真珠「いきのこりたいなら…それだけをしろ。」
武志「……他に選択肢がないな。」
真珠「ほうほうがある。わたしをてにもってみろ。しんぱいするな、こわれたりしない。」
武志「……これでどうするつもりだ?」
真珠「いきのこりたいなら…それだけをしろ。」
武志「……他に選択肢がないな。」
誕生 #

ビリビリ…
武志「えええっ!?これは一体何だ…?」
武志「えええっ!?これは一体何だ…?」

キィィン…シュゥゥゥン!
真珠「りんくかんりょう。」
真珠「りんくかんりょう。」

武志「真珠が…剣に!?いったいどうなってるんだ!?」
真珠「いそぐべきだ、にんげん。てきがきづいた。けんをそらにあげ、『えくすちぇんじ』のきーわーどをとなえよ。」
真珠「いそぐべきだ、にんげん。てきがきづいた。けんをそらにあげ、『えくすちぇんじ』のきーわーどをとなえよ。」

武志「こんなのバカみたいだけど……とりあえず、やってみるか! エクス…チェンジ!」

ジジジ…

ゴォォォォ…!

ズバァァッ!!


武志「えええっ?何だこれ!?この格好は…!?」
剣「おどろいてるひまはない、にんげん。てきがくる。」
剣「おどろいてるひまはない、にんげん。てきがくる。」

???「背教者、確認。任務変更…全滅。」
戦い #

武志「近づいてきた…どうすればいいんだ!?」
剣「めいはくだ。たたかえ。」
武志「言うのは簡単だが……!」
剣「めいはくだ。たたかえ。」
武志「言うのは簡単だが……!」

???「全…滅!」
剣「よけろ、にんげん!」
剣「よけろ、にんげん!」

ドガァァァン!
武志「うわっ!」
武志「うわっ!」

武志「危なっ…! それに、なんだ今の動き!? 信じられない!」
剣「それが、はいきょうしゃのちからだ。」
剣「だが、いまは たたかいに しゅうちゅうしろ。」
剣「それが、はいきょうしゃのちからだ。」
剣「だが、いまは たたかいに しゅうちゅうしろ。」

ドンッ!
???「全…」
???「全…」

ギュン!
???「…滅!!」
剣「くるぞ、そらせっ!」
???「…滅!!」
剣「くるぞ、そらせっ!」

ブォンッ!

キィィン!!
武志「ぐっ…!受け止めたのに、腕が…しびれて…!」
武志「ぐっ…!受け止めたのに、腕が…しびれて…!」

剣「このままじゃおいつめられる、はんげきしろ、にんげん!」
武志「わ、わかった!えいっ!」
武志「わ、わかった!えいっ!」

シュッ

ガキィン!
???「弱い…」
???「弱い…」

武志「はじかれた!?攻撃が通らない…!」
剣「よわすぎた…それに、けんとけんをぶつけてもだめーじははいらないぞ…」
武志「全力でやってるけど、戦い方なんて知らないんだよ!」
剣「よわすぎた…それに、けんとけんをぶつけてもだめーじははいらないぞ…」
武志「全力でやってるけど、戦い方なんて知らないんだよ!」

???「全……滅!」
剣「あぶない!きをつけろ!」
バチバチ
剣「あぶない!きをつけろ!」
バチバチ

ゴォンッ!!
武志「うわあああああ!!」
武志「うわあああああ!!」
覚悟 #

ドゴォォン!!

武志「うぐっ…痛い…」
剣「にんげん、はいきょうしゃじゃなかったら、いまのでしんでいた。どちらにせよ、かちめはうすい。」
剣「にんげん、はいきょうしゃじゃなかったら、いまのでしんでいた。どちらにせよ、かちめはうすい。」

剣「そういういみではない。ただ、たたかえないのはじじつだ。」
武志「いや〜、ほんとに励みになるな…何か必殺技とかないのかよ?」
剣「はいきょうしゃのちからはつよいが、わたしたちはまだきずなをむすんだばかりだ。そのちからをつかえば、おまえのからだはもたない。しぬかもしれない。」
武志「じゃあどうすりゃいいんだよ…死にたくないっての。何か他に手は?」
剣「…ひとつある。ただ、すうびょうかんはむぼうびになる。」
武志「それが今生の別れってやつかよ…」
武志「いや〜、ほんとに励みになるな…何か必殺技とかないのかよ?」
剣「はいきょうしゃのちからはつよいが、わたしたちはまだきずなをむすんだばかりだ。そのちからをつかえば、おまえのからだはもたない。しぬかもしれない。」
武志「じゃあどうすりゃいいんだよ…死にたくないっての。何か他に手は?」
剣「…ひとつある。ただ、すうびょうかんはむぼうびになる。」
武志「それが今生の別れってやつかよ…」

???「全…滅!」
武志「まて…あそこだ!水道管のそばを歩いてる!なあ、お前、鉄って切れんのか?」
剣「ほとんどのぶっしつはきれる。」
武志「よし、こうするんだ…」
剣「…きけんだが、そのはっそうはわるくない。いがいだ。」
武志「まて…あそこだ!水道管のそばを歩いてる!なあ、お前、鉄って切れんのか?」
剣「ほとんどのぶっしつはきれる。」
武志「よし、こうするんだ…」
剣「…きけんだが、そのはっそうはわるくない。いがいだ。」

武志 「成功したら褒めてくれよ。行くぞ!うおおおおお!」

武志「ティアアア!」

ザシュッ!

ブシャアアッ!
???「!!」
剣「いまよ!にんげん、いったとおりに!」
武志「了解!」
???「!!」
剣「いまよ!にんげん、いったとおりに!」
武志「了解!」

ギュイイイイイン
武志「ブレード…」
武志「ブレード…」

武志「カッター!!」
ズバァン!
ズバァン!

スパァッ!

ピシィ…

ズズ…ッ

ザーッ…
余波 #

武志「信じられない…勝ったんだ…」
剣「うん…うんがよかった。けど、それもおまえのちえのおかげだ、にんげん。」
武志「ほんとにほめた!?ありがとよ。」
剣「ひにくにきこえるが…いまはべつのことにしゅうちゅうしたほうがいい。」
剣「うん…うんがよかった。けど、それもおまえのちえのおかげだ、にんげん。」
武志「ほんとにほめた!?ありがとよ。」
剣「ひにくにきこえるが…いまはべつのことにしゅうちゅうしたほうがいい。」

武志「あれ?剣が…」
シュウウウウウ
シュウウウウウ

武志「消えた…?」
剣「わたしはいつもここにいる。けんのすがたのときは、おまえのいしで だしいれ できる。さやよりも、べんりだろ?それに…」
剣「わたしはいつもここにいる。けんのすがたのときは、おまえのいしで だしいれ できる。さやよりも、べんりだろ?それに…」

ボウッ
武志「えっ!?なんだこれ!?」
武志「えっ!?なんだこれ!?」

フワァ…

武志「戻った…いつもの服に…」

真珠「いまのきみとのきずなでは、へんしんをつづけるのはきけんだったんだ。」
武志「信じられないと言いたいが…信じるしかないよね。とにかく…」
真珠「どうした?」
武志「質問は山ほどあるよ。さっきの出来事も、お前の任務のことも…」
武志「信じられないと言いたいが…信じるしかないよね。とにかく…」
真珠「どうした?」
武志「質問は山ほどあるよ。さっきの出来事も、お前の任務のことも…」

真珠「それはあとだ。だれかがちかづいてる。」
武志「どうして隠れてるの?」
真珠「とずろんていこくのやつらが、まだまわりにいるかもしれない。いまはなにがあったか、しゃべらないほうがいい。またねらわれるぞ。」
武志「はい、はい…わかったよ。今日が良くなることはなさそうだ…」
武志「どうして隠れてるの?」
真珠「とずろんていこくのやつらが、まだまわりにいるかもしれない。いまはなにがあったか、しゃべらないほうがいい。またねらわれるぞ。」
武志「はい、はい…わかったよ。今日が良くなることはなさそうだ…」

救急救命士「おい、君!大丈夫か?」
出会い #

武志「みんながここに集まった…ほとんどの人は無事なようだ。頬にアザができただけで済んだなんて、信じられない…」
真珠「それもはいきょうしゃのちからの おかげだよ。ちめいしょうじゃないきずは、じかんがたてば なおる。」
武志「便利な力ね…命さえ賭けなければなっ…」
真珠「それもはいきょうしゃのちからの おかげだよ。ちめいしょうじゃないきずは、じかんがたてば なおる。」
武志「便利な力ね…命さえ賭けなければなっ…」

武志「あ!蛭川先生だ!蛭川先生!」

蛭川源一郎「山背!無事でよかった!研究室で爆発があったと聞いて、心配した。」
武志「先生、ご無事はなによりです。」 源一郎「柴田に何が起こったか知っているか?」
武志「はい…」
武志「先生、ご無事はなによりです。」 源一郎「柴田に何が起こったか知っているか?」
武志「はい…」

源一郎「…喪に服すべき時は、やがて来るだろう。今は、何が起こったのかを解明する必要がある。事件の発端は、山背の部署だと聞いていた。何か見えたか?」
武志「え?あ…実は…地震みたいなものを感じて、逃げたんです…何が何だかよくわからなくて…」
武志「え?あ…実は…地震みたいなものを感じて、逃げたんです…何が何だかよくわからなくて…」

源一郎「柴田のことを知っているなら、その前に柴田を見たか?彼に何が起こったか見えたか?」

武志「ああ…私はちょうど中庭に着いたところで、ちょうど…そこで彼を見ました。」

源一郎「すまなかった、山背。尋問みたいになってしまったな。疲れただろう?帰って、少し休め。私はラボを見てくる。被害状況を確認しておきたい。」
武志「はい…ありがとうございます、先生。」
武志「はい…ありがとうございます、先生。」
本物の目標 #

武志「ああ…なんて日だ!いろんなことがありすぎて…もうヘトヘトだ…」
真珠「ざんねんながら、これでおわりではない。」
真珠「ざんねんながら、これでおわりではない。」

武志「え?どういうことだ?」
真珠「わたしのにんむ…いや、わたしたちのにんむは、いまはじまったばかりだ。」
真珠「わたしのにんむ…いや、わたしたちのにんむは、いまはじまったばかりだ。」

武志「ちょっと待てって!『任務』って何だよ?しかも『私たち』って…どういう意味だ!」
真珠「とずろんていこくをたおす。」
武志「……トズロン帝国?」
真珠「かんたんにいえば、いじげん にそんざいする、ぎじゅつてきに こうどなていこくだ。じぶんたちをいじするために、ほかのせかいをくいものにしている。だが、せいふく にちからだ けでなく、さくりゃくやぼうがい、いんぼうをこのむ。そして、ごらんのとおり…いま、ちきゅうをねらっている。わたしたちは、それをふせがなければならない。」
武志「また『私たち』って言ったな……!なんでだよ、なんで俺が巻き込まれるんだよ!」
真珠「あなたは、わたしをにぎった。そして、はいきょうしゃ のちからを てにいれた。――むかし、トズロンていこくと たたかった せんし。そのせんしは、じぶんのいしきをけっしょうかし、わたしをうみだした。そして、そのちから をつぐ にんげんをさがすため、わたしをうちゅう におくりだした。でも、そのせんしは、たたかいをおわらせることができなかった。だから、いま、たおさなければならない。」
武志「……だからって私には関係ない!ひとりで帝国に立ち向かうなんて、最初から無理だろ!」
真珠「とずろんていこくをたおす。」
武志「……トズロン帝国?」
真珠「かんたんにいえば、いじげん にそんざいする、ぎじゅつてきに こうどなていこくだ。じぶんたちをいじするために、ほかのせかいをくいものにしている。だが、せいふく にちからだ けでなく、さくりゃくやぼうがい、いんぼうをこのむ。そして、ごらんのとおり…いま、ちきゅうをねらっている。わたしたちは、それをふせがなければならない。」
武志「また『私たち』って言ったな……!なんでだよ、なんで俺が巻き込まれるんだよ!」
真珠「あなたは、わたしをにぎった。そして、はいきょうしゃ のちからを てにいれた。――むかし、トズロンていこくと たたかった せんし。そのせんしは、じぶんのいしきをけっしょうかし、わたしをうみだした。そして、そのちから をつぐ にんげんをさがすため、わたしをうちゅう におくりだした。でも、そのせんしは、たたかいをおわらせることができなかった。だから、いま、たおさなければならない。」
武志「……だからって私には関係ない!ひとりで帝国に立ち向かうなんて、最初から無理だろ!」

真珠「それでも、もはや もどることはできない。おまえがわたしをてにしたしゅんかん、わたしたちはつながった。そしてこのきずながきれるのは、にんむがしゅうりょうするか、おまえがしぬときだけだ。それに…しんりゃくは すでに はじまっている。たたかういしのあるなしにかかわらず、それはすすむ。そして、それがせいこうすれば、ちきゅうじょうのせいめいは、ほろびるとよそくできる。にんげん、おまえのあいするものたちがどうなるか…かんがえたことはあるか?」
武志「……くっ、逃げ場なし、かよ。にしても……」
真珠「はいきょうしゃ の ちからを なめるな。おまえは、もっともっとつよくなれる。それは、じじつだ。もちろん、じぶんをころしてはいけない。」
武志「……もういい!わかったよ、わかったってば!選べないんだろ?」
武志「……くっ、逃げ場なし、かよ。にしても……」
真珠「はいきょうしゃ の ちからを なめるな。おまえは、もっともっとつよくなれる。それは、じじつだ。もちろん、じぶんをころしてはいけない。」
武志「……もういい!わかったよ、わかったってば!選べないんだろ?」

真珠「ときにりせいてきにもなれるとは、にんげん…いがいだった。」
武志「『人間』じゃなくて、名前で呼べよ!私にはちゃんと名前がある。武志、山背武志だ!」
真珠「たけしか…おぼえてる。」
武志「『人間』じゃなくて、名前で呼べよ!私にはちゃんと名前がある。武志、山背武志だ!」
真珠「たけしか…おぼえてる。」

武志「……で、お前には名前があるのか?」
真珠「ない。ひつようないから。」
武志「……だったら、今からはある。どうせこれから一緒なんだから――お前の名前は『相棒』だ。」
相棒「そういわれても…いみはないけど……おまえがのぞむなら。」
真珠「ない。ひつようないから。」
武志「……だったら、今からはある。どうせこれから一緒なんだから――お前の名前は『相棒』だ。」
相棒「そういわれても…いみはないけど……おまえがのぞむなら。」

武志「ったく……あ!インターホン!まやに違いない!おい、早く隠れろ!」
相棒「りょうかい。」
相棒「りょうかい。」

まや「先輩!大丈夫!?怪我してない!?」

武志「あ、まや。私は大丈夫だよ。正直、何も起こってな――」

まや「『何も起こってない』わけないでしょ!お父さんから聞いたんだよ!?本当に心配したんだから!ねぇ、何があったの?」

武志「うーん…正直よく分からなくてさ。爆発音がして、急いで外に逃げたってだけで…」

まや「先輩。」

武志「…何?」
まや「そういうの、嘘って言うんだよ。顔に書いてある。本当のこと、ちゃんと話して?」
まや「そういうの、嘘って言うんだよ。顔に書いてある。本当のこと、ちゃんと話して?」

武志「……はぁ。仕方ないな。相棒、出てきてくれ。」

相棒「たけし、ひみつをまもるのがほんとうにへただね。」
まや「えっ?ええええぇぇぇ!?」
信じられない真実 #

まや「ト…ズ…ロン…帝国?いやいや…正直、先輩が言わなかったら、絶対信じてなかったよ。こんなの、現実じゃないって。」

武志「信じがたくても、これが現実だ。そして今、私は…この問題に立ち向かわなきゃならない。」

まや「…アイツら、よくも先輩を…許せない…!あたしがその場にいたら、ぶっ飛ばしてたのに!」

相棒「まや、そのきもちはありがたいが、 それができるのは はいきょうしゃ だけだ。」
まや「…だからこそ、先輩を守って。あたしの代わりに。」
相棒「もちろん、よろこんで。」
まや「ほんと、不思議な存在ね、あなたって。」
まや「…だからこそ、先輩を守って。あたしの代わりに。」
相棒「もちろん、よろこんで。」
まや「ほんと、不思議な存在ね、あなたって。」

相棒「そういわれても…わたしは、ただの きおくのひかり だ。」
まや「…じゃあ、ピカちゃんだね。」
武志「……は?」
まや「…じゃあ、ピカちゃんだね。」
武志「……は?」

相棒「ぴかちゃん?それは、どういういみ?」
まや「光ってるから、ピカちゃん。ダメ?」
相棒「…すきに よべ。」
まや「光ってるから、ピカちゃん。ダメ?」
相棒「…すきに よべ。」

武志「……やれやれ、静かな日常は、もう戻ってこないかもな。」
影に潜む存在 #


???「ほう……面白い。背教者が現れたか。連中はとうに滅んだと思っていたが……まあ、どうでもいい。何も変わらん。」

???「愚か者め。トズロン帝国に刃向かうとは……過去の反逆者どものように、叩き潰される運命だ。」
